三岐鉄道に行ってきました

 9日の午後から大阪で会合がありましたので、翌日、三重県三岐鉄道北勢線へ行って参りましたので、ちょっと長くなりますが、そのご報告をします。長くなったのは、予想以上に、楽しく、興味深い鉄道だったからにほかなりません。
 10日6:31、近鉄の急行に乗りまして、桑名を目指します。桑名駅から歩いて約3分、三岐鉄道の西桑名に到着します。その途中、歩道橋から西桑名駅が見えるのですが思わず「細っ」と声が出そうになりました。そうです、北勢線は、特殊狭軌というのでしょうか?線路幅762㍉の鉄道です。

 いよいよ列車が入ってきました。黄色い電車ですが、やはり小さいですね。写真だと、比較するものがないので、わからないかもしれませんけどね・・・。北勢線は、阿下喜までの全長約20キロです。これを50分くらいかけて走ります。基本編成は、3両です。阿下喜側にパンタグラフの付いた電動車、その次が付随車2両ですが、この2両は電動車に比べて全長が短いです。

 列車に乗り込むと何とも不思議な空間です。お見合い型の座席です。向かいに高校生が乗ってきましたが、私の足は短いにもかかわらず、高校生と足がくっつきそうです。
 いよいよ発車。釣り掛けというのでしょうね、きっと。独特なモーター音を車内いっぱいに発し、まるで路面電車のようです。しかも、横揺れが・・・・・・・。すっかり北勢線のファンになってしまいました。周りの景色を見ないで、発車から加速するまで音だけを聞いていたら、けっこうなスピードのような雰囲気を感じます。でも、外をみると、「こんなスピード?」という感じです。スピードメーターを見ると、最高速度は45㌔くらいです。
 あっという間に楚原という駅に着きました。私の乗った電車は、ここが終点です。ここで降りたのは、魂胆があります。楚原駅のすぐ西桑名寄りに、33パミールという見たことのない勾配があるのです。楚原駅の1番ホームの先からその様子をうかがうことができますし、33パーミルを表す標識もあります。次の阿下喜行の列車がやってきました。33パーミルの登り坂の距離は大したことがないのですが、本当にひと山越える、という感覚です。この写真は、手前の出発信号にピンが合ってしまい、わかりずらいかもしれませんけど・・・。

 楚原から、車内が空いていました。改めて車内を確認すると、こんな感じです。

 終着の阿下喜駅には、この狭軌よりさらに小さい鉄道がひかれていました。博物館があり、イベントが定期的に行われているようです。北勢線も、乗客の減少が課題だそうで、カラオケ列車やグッズの販売など、あの手この手で収入増を図っています。

 帰路も電動車に乗りました。しかも、運転席が見える場所に陣取り、後ろばかりを見ていました。すると、アップダウンがけっこう激しいこと、カーブが多いこと、それも急カーブが随所にあり、列車は、そのたびに減速します。時には、制限25のカーブがあり、標識を見たときは、「たまげました」(北海道の方言?びっくりしたこと)。

 交換できる駅も割と多く、行き違いも朝のラッシュ時には駅毎にあるようです。今回、すれ違った列車の中に、太平洋石炭販売輸送の石炭列車のセキのような連接車両がありました。乗りたかったのですが、時間がありません。東員という駅の近くには、車両所のような施設もありましたが、やはり時間がなくカット。ちなみに、交換できる駅のポイントは発条転てつ器です。列車はポイントを自らの車輪の力で「割って」進入し、通り過ぎると、バネの力で自然に戻るタイプのものです。国鉄のローカル線でも使われていました。駅も一部を除いてすべて自動改札です。省力化が徹底しています。

 終点の西桑名駅近くには、もうひとつお楽しみがあります。西桑名駅から松阪寄りに、人と自転車だけが通ることのできる踏切があります。多分国内では唯一の、特殊狭軌三岐鉄道)、狭軌(JR関西本線)、標準軌近鉄名古屋線)をいっぺんにまたぐ踏切です。うろうろしていると、ひかれてしまいそうです。ここで標準軌を見ると、広い感じがします。特殊狭軌を見てしまったからでしょうね。

 とりとめのない、報告でした!

 追伸・・・
 話の種で名古屋の鉄道ファンが集まるという鉄道居酒屋「十五夜」に行ってきました。JR中央本線名鉄瀬戸線名古屋市交通局地下鉄名城線大曽根という駅から歩いて3分ほどのところにあります。
 入口近くには、さまざまなキップの大きなコピー、中に入るとサボや鉄道模型、ダイヤなどが所狭しと並んでいます。スタッフの女性が、注文を聞いて、運んできてもらえるのですが、この女性は、決して鉄道ファンではありません。
 こちらのホームページを参照してください。どんなお店かわかります。
http://www.izakaya15ya.com/
 名古屋のお立ち寄りの際には、ぜひどうぞ!