一番安い夜行寝台「きたぐに」



 全国を飛び回る会員のYさんからの投稿です。
 季節限定で寝台料金3000円で乗れた「まりも」亡き後、料金がいちばん安く乗れる夜行寝台は、リネン類や浴衣を省いて普通車指定席扱いにした「ゴロンとシート」を別にすれば、ちゃんとシーツや毛布もある寝台車としては、特急ではなく急行として運転され、急行料金+寝台料金で済む「きたぐに」のB寝台の中段と上段だ。
 気がついたら、3段式寝台車が連結されている夜行列車は、とっくの昔から定期列車としては急行「きたぐに」だけになってしまったんだな。
 おそらく、北陸新幹線が開業するまでの命だろう。
 GWの休みを利用して、JR東日本に残る勾配型スイッチバック3カ所楽しんだあと、北海道へ帰るフェリーに乗る新潟へ戻るのに、わざわざ翌日大阪まで行って下り「きたぐに」のB寝台に乗って新潟に向かった。
 急に思い立って、乗車4日前に手配したにもかかわらず、高速料金1000円の影響か、5月4日大阪発の下り「きたぐに」のB寝台は満席ではなかった。
 それどころか、席番を伝えて調べてもらったら、喫煙8号車の11番中段が取れた。
 「きたぐに」の8号車は、4両連結されている3段式B寝台車のうち、唯一パンタグラフがついている車両で、パンタグラフの下に当たる1番、2番、11〜14番には上段がない。
 しかも、中段の高さはほかの席と同じ高さなので、この席番の中段は、頭がつかえることもなく広々していて、1編成に6席だけの特等席だ。
 それでも中段だから、乗車券のほかには201km以上の区間の急行料金1260円+電車3段式B寝台車の中段・上段の寝台料金5250円=6510円で乗れる「いちばん安い夜行寝台」なのだ。
 新潟到着も8:29と、早起きする必要もないダイヤだし、下り「きたぐに」の「8号車11番中段」は小窓があって外も見えるし、窓もない「北斗星」などの2段式B寝台の上段より余程いい。
 床下のモーターの音はするが、料金以上に快適だった。